もちろん例外はあるが、飲食店において一般的に最も重要になるのが場所である。
場所が良ければ、まず最初の基本条件を満たしているといえる。少々味や店の雰囲気に難があっても、「場所の良さ」にすぐるものは無い。
では、場所の良さとは何か?
駅の前だといってもあまり入りが良くない場所もあるし、少々もの影のような所でも、よく人が入る所もある。また業種によってもその判断は違ってくるので、一律には語れない難しさがある。
しかし、そうは言っても基本的に通行量が少ない場所は、
相当な工夫をしなければならない覚悟が必要である。基本的・平均的には数の勝負と言える。
ちょっと特殊な東京と地方都市ともまた違ってくる。
東京は何か特別な個性があれば、かなり難しい場所でも客は足を運んでくれる。そういった場所が逆に売りになることもあり、地方では考えられない場所で商売が成り立っているケースもある。これは人工密度や交通事情、その他もろもろ世界的に見ても特殊な都市なので、他で同じような比較は出来ない。
…特殊なケースは置いておいて一般的な話しで言えば、
昔と違ってよっぽどの「売り」がある店でない限り、どれかひとつで「繁盛店」になる時代は終わった。消費者は、もう、あらゆる事を経験してしまった。ちょっとやそっとでは、見向いてくれないと思っていいし、うまくいったとしても努力を怠ると、あっという間にそっぽを向かれてしまう。恐ろしいほどにスピーディーな時代である。そしてお金を多く落としてくれる人は、皆多くの事に満足している。
これらさまざまな要素を踏まえて検討していくことで、
どのようなビジュアルの打ち出しがいいのかが見えてくる。世間では、店づくりのビジュアルを教科書的に一律に語っているケースもあるが、常に要素間の相対的な判断が必要なものであり、ケースバイケースであるから、より効率の良いものをつくろうとすると、個別に検討しなければ人を呼ぶビジュアルの判断が出来ない。
現代は、「場所・味・ソフト」
(ソフト= 店のつくり・人間・サービス・etc...)
三拍子が、すべて良し…!
気合!を入れた店づくりが求められる。
私がいつも考えることの基本はこうだ・・・
それぞれ大きな3要素、ひとつを100として3つで300。
どれかが60ならば他のふたつで240になるようにする。
ひとつの要素の力(ちから)が弱ければ、
必ずそれを補う強い力(ちから)が他の要素に無ければいけない。
つまり“常に300”、三拍子のバランスがとれた店づくりが、繁盛店をつくる。
物販店も基本は同じ、味を商品・品揃えに変えて“常に300”を考えてみる。
そして他の店を見る際は、このような3拍子の基準で見るようにすると、
何が悪くて何が良いのか?見えてくるものがある。
また複雑になるので今回は踏み込まないが、「人」(スタッフ)という要素は、
いま非常に重要であるため、どう絡めて考えるか?そのコンセプトを明確にする必要がある。
繰り返すが、何が欠けてもダメな時代・・・。
常に300、三拍子の調和が大切である・・・。