私の仕事においての、視点や考え方といったお話しですが、
何かのヒントになればと思います。
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いくらこちらが理屈で事を運んでも・・・人間100%その通りにはなりませんし、
結局最後は理屈より感覚のほうが優先されて行動に移ったりします。
あなたもお店等々選ぶとき、いちいち理屈で考え無い事が多いですよね。
もっとわかり易いと思うのは・・・誰でも他人との相性というものがありますが、
その好き嫌い等について、理由を考える事が優先されるという事は無いと思います。
しかしそうは言っても、ただ漠然と感覚的にお店等々の空間づくりをしてもダメです。
逆に、VMDや色彩の理論など、理屈に沿ったものだけでつくってもダメです。
日本は法治国家ですが、一人一人に細かくガチガチに法を適用したら、
とっても住み難い国になってしまいますよね。
例が適切じゃないかもしれませんが・・・そのようなコトです。
常々私は、理論的アプローチも感覚も、どちらも大事!と思っています。
理論派の人は、感覚でつくっちゃダメだよ!と言い、
感覚派の人は、理屈じゃない!と言います。
ある意味で似たような話しが・・・
いいものつくらなきゃ売れっこないだろう!と開発の人が言えば、
会社は営業が一番大事なんだ!と営業マンが言います。
どちらかというと前者が理論派、後者が感覚派の人が多いですね。
世の中なぜそういうステレオタイプの考え方になってしまうのか?
そのほうが判りやすいし、単純だからかもしれませんね。
デザインの仕事を通じて痛感してきた事。
いろんな意味で一番大事なのは、「バランスをとる」いうことです!
かたちのバランスだけじゃない、いろんなバランスです。
(コレは人生においても、モロモロ共通かな?などと思います。)
私はよく頭の中で、空間でユラユラゆれるモビールを思い描きます。。
人間ひとりひとりが違うのと一緒で、環境も考えも、みな違いますから、
その条件に適合するよう、「その都度バランスよく考える」事が大切で、
それが良い結果を導きます。
ちなみにこの場合の「良い結果」とは、クライアントの目的を達成する事です。
当たり前だろう!と言われそうですが・・・
この当たり前が、けっこう難しいのです。
そしてココが!曖昧だったり、抽象的だったり、
ならないよう気をつけなければいけないところです。
常に俯瞰して見る!
デッサンを描くとき、何度も離れて眺め全体の構図を見ます。
平面PLANを考える時、同じことをやります。
モケイをつくるのも、冷静に全体を見る事につながります。
経験で得て来た事は、一方向や部分から見ず、
いかに偏らずに視点を豊かに保つか?という日々の努力と、
常に「素人目線」で見ることが出来る「プロ」であるか?という事です。
例をまたひとつ・・・
コストと時間に対する考え方次第では、結果に大きく影響するということ。
時は金なりで、
常に限られたコスト(基本条件)と時間の中で、結果を提供するのが私の使命です。
理想を高く持つ事、こだわりを持つ事・・・は大切なことですが、
費用対効果のバランスを、理想を追求し過ぎたために見失うことも多くあります。
また予算や時間があるからと言って、無意味な使い方をする例も多くあります。
方法論として良くても、実際にはやらない選択が必要な場合もあり、
逆に、クライアントが出した条件と違っても、
プロの視点で大きなメリットが見込まれる場合は、そのような提案を行うべきです。
コストと時間に関わるバランスは、
一番冷静になって、落着いて判断しなければならないところと言えます。
私の場合いつも意識するのは、自分がその会社(クライアント)の経営者だったら?
と一度思ってみるよう心がけ、両方から見ることで総合的な判断をします。
持論になりますが、私たちの仕事は決してアート(作品)をつくるのではなく、
クライアントの目的を達成するための「行為である」という事です。