既存に有った工場の建物を、部分的な改装と色で、まったく違う印象のものとしました。根本的な構造をほとんど変えなくても、色やその塗り方によって違うものに見えてしまうという例です。(大胆な色使いを提案することが多い当事務所ではいつものことですが・・・)プレゼンテーションした時には、
かなりの抵抗があったようです。
いくら模型や合成写真をつくって説明しても、現物を見るまではほとんど納得してもらえないものです。最も現物はさまざまな要素が絡みますから、それ以外でどんなに検討しても、最後は自分達でも経験からしか判断できません。現物をつくってみれれば一番いいのですけど、それでは私たちの仕事も必要なくなってしまいます。
工場敷地内を移動する為の通路で、アスファルトの印象しかなかったものが優しくなりました。大自然の中というロケーションの工場なので、周りの山々や四季の移り変わりが良く感じ取れます。そういったことを、社内外の人にかかわらず、自然に受け止められるようにと、意識しました。厚いムクの木を使う事で足の裏に自然の感触を感じながら、またボードウオークの途中途中にベンチを置いたり、石や木で変化をつけて楽しく歩けるようにしました。ムクの木が自然とともに変化していくのも楽しみです。